本研究では、さまざまな手術を受ける患者を対象とし、高ヒスチジン糖タンパク(Histidine-rich glycoprotein: HRG)の周術期における変動を調べ、術後合併症発生の有無によって術後のHRG値に差があるかどうかを調査した。 術後に集中治療室に入室した成人150症例を対象として、術後1日目のHRG値を測定した。HRG値は、術後合併症発生群では非発生群に比べ有意に低値であった。更に、HRG値と術後合併症発生とに有意な関連を認め、HRG値は独立した術後合併症予測因子であるとの結果を得た。HRGは術後合併症予測マーカーとして活用できる可能性があることが示唆された。
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