敗血症は感染に対する宿主の反応の異常により引き起こされる生命を脅かす臓器障害と定義され、高い死亡率を有する疾患である。今までに敗血症による全身の炎症を抑制するための治療法が研究されてきたが、生存率を高める治療的介入は未だ存在せず、新たな治療戦略の創出が求められている。コリン作動性抗炎症経路は神経免疫系を介して抗炎症作用を持つ系であり、注目されている。本研究では、敗血症患者において、コリン作動性抗炎症経路の重要タンパクであるα7Ach受容体の評価を行い、デクスメデトミジンがコリン作動性抗炎症経路を介して抗炎症作用を持つことを示した。これらの成果は敗血症における新規治療戦略創出の可能性につながる。
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