膠芽腫は、外科的療法、放射線療法、化学療法、分子標的療法などの集学的治療をもってしても、平均生存期間は15ヵ月に満たない、非常に予後の悪い腫瘍である。免疫治療は、膠芽腫治療において期待される治療法であり、そこで得られた新たな知見は社会的にも大きなインパクトを持つ。膠芽腫検体でのTCR多様性の低下は、これまでになされた複数のがん種での報告と一致する。これは、特殊な免疫環境における脳腫瘍でも、免疫療法が有効たり得る可能性を示している。本研究で解明した膠芽腫の免疫機構の一端は、免疫治療の新たな治療ターゲットおよびバイオマーカーの開発へと繋がる成果である。
|