本研究によって得られた成果は、側坐核の活性化が刺激と連合した行動への意欲の向上と運動パフォーマンス向上をもたらすというものである。運動麻痺を主症状とする脳脊髄損傷患者の多くがうつ病を併発することが多く、機能回復の阻害因子となっている。側坐核の活性化はこういった患者の治療戦略を検討する上で重要な手法になることが期待される。また、側坐核と同様に意欲生成に関わるとされる腹側中脳の活性化が運動野と筋の活動を誘発したことから、強い動機づけが運動パフォーマンスを高めると言われる経験値を説明できる神経基盤なのではないかと考えられる。
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