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2020 年度 研究成果報告書

脂質代謝とヒストン脱メチル化酵素LSD1に着目した新たな膠芽腫増殖制御機構の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 19K18434
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関鹿児島大学

研究代表者

坂元 顕久  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30404479)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード膠芽腫 / 脂質代謝 / EGFR / LSD1
研究成果の概要

膠芽腫細胞の実験から、腫瘍増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)シグナルの活性によりLSD1タンパク質が調節されることを確認した(活性化でLSD1タンパク質が増加)。同シグナルが活性化した膠芽腫細胞においてLSD1を阻害すると、細胞内のコレステロールが枯渇しやすい状態になる可能性が示唆され、その培養においてLSD1の阻害と共に脂質を含むサプリメント濃度を調整すると、低濃度ほど死滅細胞が増加した。一方、正常アストロサイトでLSD1を阻害すると、コレステロール合成系の遺伝子発現が膠芽腫細胞よりも強く誘導され、LSD1による細胞内コレステロールの消耗に対してより抵抗性を示す可能性が示唆された。

自由記述の分野

脳神経外科学分野

研究成果の学術的意義や社会的意義

膠芽腫は最も予後の悪いがんの一つであり、様々な治療の開発でも生存期間は中央値15ヵ月程度とあまり改善しておらず、新たな治療法が求められている。近年、様々な分子標的薬が多くのがんで治療成績を向上させ、EGFR活性を阻害する薬剤はEGFR遺伝子に変異をもつ肺がんの生存期間を延長させた。多くの膠芽腫でもEGFRは活性化しているが、脳には血液脳関門というバリア機構のため多くの薬剤が通過できず、既存の分子標的薬では効果が十分でない。本研究からLSD1がEGFRシグナルの下流で膠芽腫の生存に関わる脂質代謝を調節しており、LSD1はEGFRシグナルが活性化した膠芽腫の治療標的となり得ることが示唆された。

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公開日: 2022-01-27  

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