膠芽腫細胞の実験から、腫瘍増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)シグナルの活性によりLSD1タンパク質が調節されることを確認した(活性化でLSD1タンパク質が増加)。同シグナルが活性化した膠芽腫細胞においてLSD1を阻害すると、細胞内のコレステロールが枯渇しやすい状態になる可能性が示唆され、その培養においてLSD1の阻害と共に脂質を含むサプリメント濃度を調整すると、低濃度ほど死滅細胞が増加した。一方、正常アストロサイトでLSD1を阻害すると、コレステロール合成系の遺伝子発現が膠芽腫細胞よりも強く誘導され、LSD1による細胞内コレステロールの消耗に対してより抵抗性を示す可能性が示唆された。
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