本研究では生体内より抜去された抗酸化剤添加高度架橋型ポリエチレン(HXLPE)の酸化劣化について検討した。対象は人工股関節置換術及び人工膝関節置換術後に生体内から抜去された第2世代HXLPEのうち、抗酸化剤添加されたHXLPE20例であり、最大酸化度酸化誘導時間を測定した。結果としては酸化誘導時間はビタミンE指数に依存し、抗酸化剤混合HXLPEよりも抗酸化剤浸漬HXLPEの方がより高い耐酸化能を有する結果となった。しかしながら、最大酸化度は生体内期間と有意な相関を認めたことから、抗酸化剤が添加されていても酸化劣化が進行する可能性が示唆された。
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