骨肉腫の発生した骨微小環境において破骨細胞の分化が抑制されており、その機序として骨肉腫細胞由来エクソソーム内分子miRNA146a-5pが、前破骨細胞内のTRAF6の生成を抑制する結果、NFκB経路の蛋白のリン酸化が抑制され、その下流で転写因子NFATc1の働きも抑制されるために前破骨細胞の融合が阻害されることを見出した。 患者の生検組織で破骨細胞の分化が抑制されているほど、化学療法の有効性が乏しいため予後不良となりやすく、in vivoでエクソソーム分泌に関わるTSG101遺伝子をノックアウトした骨肉腫細胞のマウス移植実験で、腫瘍周囲の破骨細胞の分化が維持され、肺転移が減少することを確認した。
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