脊椎手術において改善不良の一因として硬膜周囲の癒着や熱などによる神経損傷があげられる。本研究では動物を用いてそれぞれのモデルの作成、その予防対策を講じた。手術時の冷却やステロイド、脂肪由来幹細胞の局所投与を試行した。熱損傷モデルに関しては冷却水で神経損傷の予防効果がみられ、脂肪由来幹細胞で脱髄の予防効果を示唆する所見がみられた。硬膜周囲の癒着に関しては脂肪由来幹細胞の明らかな効果は認めなかった。本研究結果からは熱損傷に関しては有効な手段があげられたが、硬膜周囲の癒着に関しては更なる研究が必要である。
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