膀胱癌の多くは診断時に筋層に浸潤が見られない筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)である。しかし術後の膀胱腔内再発や再発時に進展する可能性の高い癌でもある。筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)となると、膀胱自体の温存は困難で膀胱全摘除術が選択されることが多い。NMIBCでは組織学的因子や腫瘍の数、再発の有無などでリスク分類がなされ、再発予防のための治療が施される。今回の研究結果から、膀胱癌におけるLPA1発現は再発、進展リスクが高い可能性が示唆された。これまで膀胱癌に対する薬物治療は殺細胞性抗癌剤や免疫チェックポイント阻害剤であったが、LPA1阻害剤、ROCK阻害剤が新規治療薬となる可能性が示唆された。
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