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2022 年度 研究成果報告書

リゾリン脂質に着目した膀胱癌再発・進展メカニズムの解明と新規治療の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 19K18567
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

片岡 政雄  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90554204)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード膀胱癌 / 浸潤 / リゾフォスファチジン酸
研究成果の概要

臨床検体による解析にて筋層浸潤性膀胱癌でのリゾフォスファチジン酸受容体1(LPA1)の発現亢進が確認された。LPA1を発現するヒト膀胱癌細胞株T24は生理的尿中濃度のLPA存在下にRho活性化、ROCK1リン酸化、MYPT1リン酸化、MLC発現亢進とラメリポディアの形成が認められ、浸潤能が亢進することが確認された。また、LPAによる遊走能亢進、MMP2活性化亢進も確認され、これらはLPA1阻害剤、ROCK阻害剤により抑制されることが同定された。LPAによる増殖能への影響は認められなかった。以上よりLPA1阻害剤、ROCK阻害剤が膀胱癌浸潤能を抑制させる新規治療薬となる可能性が示唆された。

自由記述の分野

尿路悪性腫瘍

研究成果の学術的意義や社会的意義

膀胱癌の多くは診断時に筋層に浸潤が見られない筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)である。しかし術後の膀胱腔内再発や再発時に進展する可能性の高い癌でもある。筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)となると、膀胱自体の温存は困難で膀胱全摘除術が選択されることが多い。NMIBCでは組織学的因子や腫瘍の数、再発の有無などでリスク分類がなされ、再発予防のための治療が施される。今回の研究結果から、膀胱癌におけるLPA1発現は再発、進展リスクが高い可能性が示唆された。これまで膀胱癌に対する薬物治療は殺細胞性抗癌剤や免疫チェックポイント阻害剤であったが、LPA1阻害剤、ROCK阻害剤が新規治療薬となる可能性が示唆された。

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公開日: 2024-01-30  

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