研究課題
若手研究
前立腺癌の転移で最も多い部位は骨、次いでリンパ節であるが、研究の多くが骨転移に焦点を当ててきた。実は骨転移とリンパ節転移では予後に大きな差が見られない。リンパ節転移研究による転移機構の解明も骨転移同様に急務である。本研究ではマクロファージと前立腺癌細胞のリンパ節内での細胞間相互作用により、CCL2とTGF-b1のautocrine /paracrine作用を介して、AKTやERKの活性化を誘導し、前立腺癌の遊走能が亢進する可能性を明らかにした。
泌尿器腫瘍学
リンパ節転移進展機構は未だ難解であり、全貌の解明が急がれる。本研究の成果から、腫瘍随伴マクロファージをターゲットとした抗ケモカイン治療、あるいはこれらの所謂センチネルリンパ節への到達を目論んでの術中投与などの応用が期待できる。M1a症例に対しては骨盤内リンパ節転移のみならず、その中枢の遠隔リンパ節転移に対するターゲット治療が有効である可能性が考えられる。傍大動脈や縦郭リンパ節であってもその部位で転移を食い止めれば、鎖骨上リンパ節~静脈を経由した転移を阻止できる可能性がある。