前立腺肥大症の標本を用いて、炎症細胞の位置の評価を、客観的、定量的に行った。前立腺の組織において、リンパ球はB細胞よりもT細胞の方が有意であることが判明し、サブタイプを解析すると、ヘルパーT細胞が有意であった。間質のリンパ球の浸潤の程度が強い症例では、下部尿路閉塞が強かった。また、患者の喫煙歴、喫煙期間、禁煙期間と炎症細胞、高内皮細静脈との相関を検討したところ、喫煙歴がある患者において、禁煙期間が長いほど高内皮細静脈の割合が少ないことが分かった。また、前立腺肥大症の治療薬と炎症との関連を検討したところ、5α還元酵素阻害薬投与により、前立腺の炎症が増悪する可能性が示唆された。
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