卵巣粘液性癌は化学療法に抵抗性で予後不良である。CDX2 をバイオマーカーとした個別化医療の可能性について検討した。細胞増殖やアポトーシスの抑制に関与している REG4 遺伝子に注目した。卵巣粘液性癌の臨床検体を使用し、免疫組織化学染色法によって、CDX2 と Reg IV の発現に相関関係を認めた。卵巣粘液性癌細胞株において、Reg IVの発現が CDX2の遺伝子導入により増強した。それに伴い、アポトーシスが亢進し、5-FUに対する感受性も増強した。以上より、卵巣粘液性癌では、CDX2 を介して REG4 の発現を調節している可能性が示唆され、5-FUを中心とした新しい化学療法が期待される。
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