不育症の発生率は約4%と稀な疾患でなく、その25%は原因不明であり病態解明が求められる。我々は原因不明不育症患者の酸化ストレスに着目し検討を行った。原因不明不育症患者の非妊娠時血液及び流産手術時に得られた脱落膜組織(妊娠により変化した子宮内膜組織)においては酸化ストレス度の指標であるd-ROMsと抗酸化力の指標であるBAPが共に上昇していることを明らかにした。また流産などの妊娠合併症を引き起こす抗リン脂質抗体症候群患者においても非妊娠時の血液中のd-ROMsとBAPは上昇していた。酸化ストレス等の刺激により活性化されるNLRP3が脱落膜組織中のマクロファージで発現していることを確認した。
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