研究課題
若手研究
母体末梢血NK細胞が着床や妊娠維持機構に関わっているという仮説を立て実験を開始した。今回、卵胞期、黄体期、妊娠初期におけるNK細胞のマイクロアレイを施行した。その結果、各比較において多数の発現変動を認めたため、母体末梢血NK細胞が着床や妊娠維持機構に関わっている可能性が示唆された。卵胞期-黄体期ではCDK9等、黄体期-妊娠初期ではIL-10、MMP9、DUSP13等、卵胞期-妊娠初期ではIL-18、MMP9、DUSP13等の遺伝子発現の変動を認めた。
生殖免疫
今回の検討で、妊娠前から妊娠初期にかけて母体末梢血NK細胞(pNK)の多数の遺伝子発現の変動を認めた。この結果から、pNKが着床や妊娠維持機構に関与している可能性が示唆された。このことは、いまだ病態が完全に解明されていない着床不全、不育症やまた早産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離など、妊娠に関わる疾患の原因解明や治療の向上につながる可能性がある。