内リンパ液高電位(EP)は聴覚の高い感受性にとって重要で、その破綻は難聴を惹起する。I In vivoでは、蝸牛側壁の最外層を構成するラセン靱帯はNa依存性の正の静止膜電位を有する。この正の膜電位はEPに不可欠であるが、その基盤となるNaチャネルははまだ明らかではない。本研究課題では急速単離組織片を用いた細胞内記録により、ラセン靱帯の膜電位をin vitroで実測することに初めて成功した。Naチャネル同定に必要な膜電位のイオン・薬物感受性の知見が得られた。また、比較的簡易な手法なので各種モデル動物に応用可能であり、今後の蝸牛機能解析に有用である。
|