これまで報告されている、炎症や細菌感染で誘導されるサイトカインネットワークによる上皮細胞および線維芽細胞の過剰増殖に加え、新たに、エピジェネティクス変化とp63発現による部分的上皮-間葉転換による基底細胞乳頭状増殖が示唆された。近年の創薬研究において、エピジェネティクス制御に対する直接的な阻害薬の臨床開発が進みすでにいくつかの治療薬は市販されており、今後中耳真珠腫の根治療法に応用することを目標としている。しかし、中耳真珠腫を構成する全ての細胞動態および発現遺伝子の変化は明らかには出来ておらず、更なる展開が期待される。
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