進行上咽頭癌において放射線化学療法は効果的であるが,再発例では治療に難渋する。免疫チェックポイント阻害剤は癌免疫逃避機構のブレーキを解除することで腫瘍微小環境における細胞障害性T細胞を活性化させ、間接的に抗腫瘍効果を発揮する新規免疫療法として期待されている。しかし、上咽頭癌再発例に対してpembrolizmabを使用した報告では奏効率は22%であり効果は十分ではない。本研究の結果は、LMP1発現エクソソームによるM2腫瘍マクロファージの増加がEBV関連上咽頭がんの免疫微小環境の形成に重要であることを示したものであり、将来的な上咽頭癌の新規免疫治療法につながる重要な研究である。
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