研究課題
若手研究
本研究では、ヒトiPS細胞から神経堤細胞(NCC)を介して間葉系幹細胞(MSC)へと分化させたものを、免疫不全ラットの甲状軟骨欠損部に移植した。移植後、一カ月後と二か月後に甲状軟骨を採取し、移植部に移植細胞と再生硝子軟骨組織を認めることをHE染色と免疫組織化学で確認した。本研究結果は、上気道臓器における革新的な軟骨組織再生技術の確立へとつながる可能性がある。
耳鼻咽喉科学
上気道臓器の軟骨は、気道の枠組みとして重要な働きを担う。そのため、上気道の軟骨に大きな欠損が生じた場合には、他臓器より採取した組織や、合成材料を用いた枠組みの再建が必要となる。しかしながら前者では患者の負担が大きく、後者においても確立されたものはなかった。本研究の結果は、上気道臓器の軟骨再建はもとより、他臓器における軟骨組織再生にも応用が可能であり、革新的な治療法開発へとつながる可能性がある。