P2X2受容体は、陽イオン透過性イオンチャネル内蔵型受容体で内耳に存在し、内耳内リンパ腔の組成イオンであるカリウムイオンの調整に関与している。当研究室では、P2X2受容体のKOマウスを所有しており、このマウスに対して、前庭機能の評価を行った。以前の研究で半規管機能が低下していることを確認しており、今回の実験では、もう一つ存在する前庭器官である耳石器についてその機能評価を行った。 P2X2KOマウスとWTでは、耳石器動眼反射に有意な差は認めなかった。この結果からP2X2受容体は半規管機能に影響を及ぼすが、耳石器機能には影響を及ばさないことが推察された。
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