申請者がこれまで開発してきた一枚のホルマリン固定パラフィン包埋切片から12種類のエピトープを免疫組織化学で解析できる多重免疫染色ならびにイメージサイトメトリーを用いて、頭頸部癌の進行や治療抵抗性に関わる腫瘍内不均一性と腫瘍組織内に存在する免疫細胞の組成や性質を調べた。癌細胞の様々な悪性形質を評価可能な免疫組織化学マーカーをシステマティックレビュー・メタ解析を用いて過去10年間の論文から抽出し、1枚切片で頭頸部癌の代表的な10種類の悪性形質を調べられるパネルを構築した。癌細胞と免疫細胞の両者を統合的に解析可能な技術的基盤が完成し、今後の予後予測バイオマーカーの開発に寄与することが期待される。
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