緑内障患者で薬剤、手術により十分な眼圧下降が得られても視野障害の進行を阻止できない患者には眼圧非依存性の根本的治療が必要である。緑内障の病態は視神経軸索障害であることは視神経乳頭のリムの菲薄化と一致する神経線維層欠損から明らかであり、視神経軸索保護効果を有する様々な治療が期待される。p38は多くの炎症系疾患に関与しているとされていて、関節リウマチの治療薬としてp38阻害剤が臨床試験まで進んでいる。pヒトですでに安全性が確立されたものの中で視神経軸索保護効果を示すものを明らかにできれば、投与経路等も検討した上で、将来的に緑内障治療の新たな選択肢を見出せる可能性がある。
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