研究課題
若手研究
本研究によって、異常瘢痕のできやすい部位の解剖学的構造の特徴を解析し、日常動作によって力学的刺激が強くかかる傾向であることがわかってきた。異常瘢痕であるケロイドは辺縁正常皮膚へと炎症が波及し病変が拡がるが、その局所では強いひずみが生じ、メカノシグナル伝達経路の重要な一つであるCaveolin-1 / ROCK-1,ROCK-2経路や虚血再灌流応答で重要なTLR4経路などが活性化していることもわかってきた。今後さらに検討を重ね、新規治療法の開発につなげていきたい。
形成外科学
異常瘢痕であるケロイドや肥厚性瘢痕は、掻痒や疼痛やひきつれに加え、ときに排膿を繰り返すこともあり、醜形とともにQuality of Life(QOL)の低下をもたらしている。特にケロイドは難治性であり、この異常瘢痕の発生メカニズムの解明や根治的な治療法の開発が待たれている。本研究では、異常瘢痕発生に重要な力学的要素の詳細な解析に基づいて、細胞・分子レベルでの解析・検討を行っている。得られた知見によって、より詳細な病態の解明や新たな治療標的分子の同定につながることが期待される。