研究課題
若手研究
リンパ浮腫に対する新規治療方法開発のためには、適切なマウスモデルの開発が必須である。本研究では、マウス胎仔に手術侵襲を加えることによって胎仔の全身性リンパ浮腫を誘発する新たなモデル開発が行われた。胎生13日目のマウスを手術によって子宮外へ脱出させて腹腔内へ留置することにより、約7割の頻度で全身性の浮腫が誘発されることが示された。Twist2ノックアウトマウスにおいて浮腫の程度が強く、またその病態メカニズムには胎盤血流の変化が関与していると考えられた。
リンパ浮腫
リンパ浮腫に対する現行の治療は不十分であり、特に先天性や原発性のリンパ浮腫は治療抵抗性であり、新たな治療方法の開発が求められている。そのためには適切な浮腫モデルの開発により病態を解明する必要がある。先天性リンパ浮腫のマウスモデルについては、過去に特定の遺伝子変異を伴うマウスの報告は散見されるものの、野生型マウスに浮腫を誘発するモデルの報告はほぼ存在しない。本研究では胎仔に外科的侵襲を加えることで高率に浮腫が誘発されることが示され、今後の病態解明に役立つものと考えられる。