歯や骨の生体硬組織の石灰化には、硬組織特異的かつ豊富に存在する酸性リン蛋白質の役割が着目されてきた。酸性リン蛋白質は、翻訳後修飾過程で高度にリン酸化されて、生体内で負に荷電してCa2+結合能を獲得し、ハイドロキシアパタイト形成の核となって石灰化に寄与すると考えられている。近年、Fam20Cが酸性リン蛋白質のリン酸化を担っていることが報告され、全身の中でも特に硬組織に高発現することから、そのリン酸化は硬組織形成に重要であることが示唆される。本研究では、象牙芽細胞特異的Fam20C過剰発現マウスの解析を行い、Fam20Cによるリン酸化は象牙質形成および象牙芽細胞分化を調整することを明らかとした。
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