胆道閉鎖症(BA)は胆管の閉塞に起因する胆汁うっ滞性疾患である。病状の進行により、肝臓の線維化が生じる。本研究では健常児及びBA患児から提供された乳歯幹細胞の特性と肝線維化に対する治療効果を解析した。BA患児由来乳歯幹細胞では転写因子HNF6の発現が活性化しており、胆管を形成する胆管上皮細胞への分化に重要であるTransforming growth factor beta (TGF-beta)受容体の発現が抑制されているが、HNF6の発現を抑制することでTGF-beta 受容体の発現が回復することを明らかにした。上記の結果から、BA患者由来乳歯幹細胞の自家移植応用へ向けた治療標的を示した。
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