間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化に関わる転写因子Runx2は、骨芽細胞の成熟過程において、未熟骨芽細胞では強く発現しているが、成熟骨芽細胞では発現が低下する。I型コラーゲンプロモーターを用いて骨芽細胞にRunx2を強発現させると、骨芽細胞の成熟が抑制され、骨細胞も減少する。この時、骨のコラーゲン繊維の走行がランダムになり、骨芽細胞と骨細胞では細胞突起の数が減少する。 Runx2の下流で骨芽細胞突起形成に関わる遺伝子としてTln2を同定したので、本研究では、Runx2がTln2の発現調節を介して突起形成を主とした細胞骨格を制御することにより、骨芽細胞の成熟を調節している可能性を検討した。
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