本研究により、5-FU口内炎を増悪または予防する細菌が同定される。5-FUは組織障害を起こすことで、口腔内細菌が直接上皮に接着・浸潤できる場を提供している。そのため、口内炎の重症度は口腔内細菌に依存していると予想された。そこで、5-FU口内炎の発症群と非発症群の口腔内細菌叢を比較した結果、口内炎の非発症群で有意に多く存在する菌が同定され、それらの菌は口内炎を予防する作用を持っている可能性がある。今後、その細菌を単離培養して基礎実験を行うことで、その性質や機能が明らかになれば、この結果は、5-FU口内炎を予防する細菌をターゲットにした口内炎に対するprobioticsの開発への展開が期待される。
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