シェーグレン症候群は、涙や唾液の分泌が低下しドライアイやドライマウスを引き起こす難病である。これまで涙腺や唾液腺における炎症の視点からの研究が数多くされてきたが、治療薬は対症療法にとどまり、抜本的な病態へのアプローチ法の開発が急がれる。 本研究においては、シェーグレン症候群モデルマウスの涙腺を用いて、涙液分泌低下および涙腺炎の発症の前後で網羅的遺伝子発現解析を行い、アルギナーゼ1が発症後に低下していることを見出した。検証の結果、涙腺炎の有無に関わらず、アルギナーゼ1の発現・活性低下が涙液分泌低下につながることを明らかとした。
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