研究課題
若手研究
本研究では大腸癌分離株と口腔常在菌株との違いを明らかにすることを目的としてF. nucleatumのゲノム解析を行った。全ての大腸癌分離株が保有する一方で、唾液分離株からは全く検出されない遺伝子が複数特定できた。また、大腸癌由来のF. nucleatum分離株数を増やすことを目的に新規に臨床検体からの分離培養を行い、大腸癌由来分離株として5株、唾液由来分離株として14株のF. nucleatum分離株が得られた。
分子生物学
大腸癌のF. nucleatumが口腔に由来することから、口腔内のF. nucelatumを調べることは大腸癌の増悪化や再発防止に有用と考えられるが、中には単なる口腔常在菌として大腸癌とは関係のないF. nucleatumもいるようである。従って“大腸癌のF. nucelatum”とそうでないF. nucleatumの違いが明らかにできれば、口腔汚染指標に用いるなどして大腸癌リスク軽減のための検査方法の確立に役立てられると考えている。