過度な偏咀嚼の持続は、歯の破折や顎機能障害の要因の一つと考えられている。当講座はこれまで偏咀嚼に着目し、片側臼歯部欠損患者が健常者よりも偏咀嚼を示すこと、また片側臼歯部欠損患者への補綴治療が偏咀嚼を改善することを明らかにした。 しかし、第2大臼歯までの補綴治療が必要かという根拠は不足している。そこで、本研究は片側臼歯部遊離端欠損患者の偏咀嚼に着目し、第2大臼歯までの咬合支持が偏咀嚼に与える影響を調査した。補綴治療を行った片側臼歯部欠損45名に加え、片側のみ第2大臼歯部の咬合支持が失われた対象者のデータを比較したところ、咬合支持数の差よりも習慣性咀嚼側に影響される傾向がある可能性が示唆された。
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