申請者は、咀嚼機能低下を認める高齢者が行う舌押しつぶし(スクイージング)という代償的な咀嚼の機能評価方法の確立を目的としてきた。 今回の計測結果より、スクイージングによって押し潰せる食品の物性は、最大舌圧と有意な相関を認めることが明らかとなった。さらに、高齢者と若年者のスクイージングの動態を比較した結果、高齢者の方が若年者と比較してスクイージング時の舌骨上筋群の筋活動量が大きいこと、舌圧発現に違いが生じることが示唆された。 これらのことより舌圧は、咀嚼機能低下を認める高齢者の食品選択の一助となること、さらにスクイージング機能を評価する際の舌圧測定、舌骨上筋群筋活動評価の有用性を示したといえる。
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