可撤性有床義歯の欠損様式と咀嚼機能の非対称性および習慣性咀嚼側の関係を明らかにすることを目的とした.分析対象者は272名 (平均年齢76.5±5.3歳) で,各群における左右別の咬合力および咀嚼能率は,右側遊離端義歯群のみ有意な左右差を認めた一方で,右側遊離端義歯群は左右ともに義歯なし群と有意差を認めなかった.習慣性咀嚼側は,義歯無し群では右側が55.5 %,左側が30.5 %,どちらともいえないが14.0 %であり,その比率は義歯無し群以外全ての群と有意差を認めなかった.一方で,咬合力および咀嚼能率の右側高値群と左側高値群の習慣性咀嚼側の割合は,咬合力および咀嚼能率ともに有意差を認めた.
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