口腔がんにおけるSIRT6の発現と放射線感受性について調査するとともに、治療抵抗性の原因の一つとして考えられるがん幹細胞におけるSIRT6の役割を明らかにすることを目的として研究を進めた。口腔がん(OSCC)患者から採取された組織サンプルを用いた実験により、OSCC組織ではタンパク質レベルでもmRNAレベルにおいても正常組織と比較して、SIRT6の発現が有意に高いことが分かった。また、細胞株を用いた実験により、SIRT6の発現が放射線治療の効果を抑制していることが分かった。このことから、効果的な放射線治療を目指すうえで、SIRT6が治療標的になりえるのではないかということが示唆された。
|