本研究では、腫瘍溶解アデノウイルスAd+AUの腫瘍溶解効果が、エタノール処理で増強されるか検討した。エタノールの最適濃度を決定後、Ad+AUのがん細胞に対する腫瘍溶解効果を検討した。その結果、エタノール添加によりウイルス増殖効率およびAd+AUによる細胞死も活性化された。さらに、ヌードマウスにがん細胞の腫瘍を作成し、Ad+AUとエタノールを投与し、腫瘍溶解効果の増強をin vivoで検討した。その結果、Ad+AUはこの腫瘍の増殖を抑制し、ウイルスとエタノール両方で処理した系ではさらに腫瘍の増殖が抑制された。以上の結果より、エタノールによりAd+AUの腫瘍溶解活性が上がることが示された。
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