研究課題/領域番号 |
19K19317
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
片岡 正太 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40808010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 酸素ナノバブル / 口腔保湿剤 / 誤嚥性肺炎 |
研究実績の概要 |
本研究はオゾンナノバブル水を応用して、誤嚥の疑いや有病・多剤服用高齢者に対して使用可能な殺菌性口腔ケア用保湿剤を開発することを目的とする。本研究ではオゾンナノバブル水に粘稠性を付加することにより、持続的に口腔内で、殺菌性・保湿性を発揮する口腔ケア用保湿剤の製作をおこない、その有効性の検討をおこなう。 先年度において、オゾンナノバブル水から酸素ナノバブル水を利用するように変更し、偏性嫌気性菌への殺菌作用を確認するよう計画の一部変更行った。P.g菌(ATCC33277株)をGam培地、ナノバブル水培地で嫌気下培養を行い培養液の濁度(OD)で細胞数の増加を確認した。しかし、実験群とコントロール群に有意なODの差は確認されず、また、再現も一定しなかった。ナノバブル水培地作成の際に、培地成分の塩により、酸素ナノバブルが液中から放出されてしまっていたことにより、P.g菌への殺菌作用が失われてしまい、再現も一定しなかったことが分かった。 以上より、培地成分の塩によるナノバブルの影響を排除するため、実験方法の変更を行った。リン酸緩衝溶液(PBS)に酸素ナノバブルを生成し、P.g菌への影響を調べた。P.g菌を遠心分離し、酸素ナノバブルが添加されたPBSで濃度別に処理し、Gam寒天培地にまく方法でコロニー形成状態の確認を行った。その結果、酸素ナノバブル水の濃度により、コロニー形成に差異が確認された。現在、再現性の確認のために継続実験中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
P.g菌(ATCC33277株)をGam培地、ナノバブル水培地で嫌気下培養を行い培養液の濁度(OD)で細胞数の増加を確認した。しかし、実験群とコントロール群に有意なODの差は確認されず、また、再現も一定しなかった。研究協力者との検討の結果、ナノバブル水培地作成の際に、培地成分の塩により、酸素ナノバブルが液中から放出されてしまっていたことにより、P.g菌への殺菌作用が失われてしまい、再現も一定しなかったことが分かった。以上の想定外の事態から、改めてP.g菌に対する酸素ナノバブル水の効果を確認する実験方法を再検討することを余儀なくされたため、研究に遅れが発生してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、酸素ナノバブル水の濃度により、コロニー形成に差異が確認されるか、再現性の確認のために実験を継続していく。加えて、他のナノバブル水が応用できないかの検討を行う。また、次年度は、酸素ナノバブル水の口腔内細菌叢に対する影響も検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
P.g菌(ATCC33277株)をGam培地、ナノバブル水培地で嫌気下培養を行い培養液の濁度(OD)で細胞数の増加を確認した。しかし、実験群とコントロール群に有意なODの差は確認されず、また、再現も一定しなかった。研究協力者との検討の結果、ナノバブル水培地作成の際に、培地成分の塩により、酸素ナノバブルが液中から放出されてしまっていたことにより、P.g菌への殺菌作用が失われてしまい、再現も一定しなかったことが分かった。以上の想定外の事態から、改めてP.g菌に対する酸素ナノバブル水の効果を確認する実験方法を再検討することを余儀なくされたため、研究に遅れが発生、研究助成金の使用にも遅れが発生した。 次年度は、酸素ナノバブル水の口腔内細菌叢への影響の検討に加え、他のナノバブル水応用の検討を行っていき、研究助成金の使用を行っていく予定である。
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