個人識別の手法の一つとして歯科所見によるものがあり、身元不明遺体などの口腔内から得られた歯の治療痕や特徴的な口腔内の所見をデンタルチャートという形式で記録し、生前の口腔内情報と照合することで個人識別を行う。本研究では、近年急速に普及している死後CT画像を利用し、画像上のメタルアーチファクトを解析することで、口腔内の治療に用いられた歯科材料を類推する新たな個人識別法の開発を目的としていた。この方法は、遠隔地からの個人識別の可能性についても提示するものであった。 金属材料については、チタンの識別は可能であったが、それ以外についてはその識別が困難であった。非金属材料については材料間での差異があった。
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