研究実績の概要 |
がん臨床試験において、全生存(overall survival)に対する治療効果を評価する際に病勢進行(tumor prrogression)による治療の変更の問題を考慮する研究を行った(Fukuda M, Sakamaki K, Oba K., Clinical Trials, 2023.)。本研究では、無増悪生存期間(progression free survival)と全生存の複数エンドポイントを用いた評価を行うのではなく、病勢進行による治療の変更を全生存に対する試験途中の打ち切り原因として取り扱うことで、適切な治療効果の評価を行う方法を提案した。具体的には、治療効果の評価指標としてnet benefitを用い、Kaplan-Meier integralに逆確率法(inverse probability weighting)を適用することで、適切に効果指標を推定する方法を提案した。これにより、試験途中のイベントを考慮したnet benefitの評価が可能となった。
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