本研究では、胎児期、および生後のフタル酸エステル類曝露が、子どもの肥満に影響を及ぼすか明らかにすることを目的とした。北海道スタディの参加者を対象に学校健診記録から肥満度や成長曲線の評価を実施した。小学校6年生の肥満傾向について、母体血中MiBP濃度が高いほど低下、一方で、母体血中MEHP濃度が高いほど増加した。しかし、他の学年の肥満傾向の割合とフタル酸エステル代謝物とは関連がなかった。7歳の肥満傾向と脂質代謝物の関連も認められなかった。小学6年生の肥満傾向のみで方向が一致しなかったことより、フタル酸エステル代謝物曝露と小児肥満は強くは関連しないことが示された。
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