近年、危険ドラッグの乱用が中毒死を含めた健康被害や異常行動などを引き起こし、社会的な問題となっている。このような危険ドラッグのなかでも、テトラヒドロカンナビノール(THC)と同様の作用を持つ合成カンナビノイド類は、THCや内在性リガンドと同様にカンナビノイド受容体CB1およびCB2と結合して、その活性を現す。 また、CB1受容体のアンタゴニストは肥満治療薬として海外で認可されたが、その副作用によって認可が取り消された例もある。合成カンナビノイドが特に中枢に与える影響を詳細に解明することにより、急性中毒のメカニズムを解明するとともに、治療・予防薬としてカンナビノイドの利用に寄与することができる。
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