褥瘡や糖尿性下腿潰瘍のような慢性創傷の90%以上から細菌が検出され、中でも緑膿菌はしばしば検出される細菌である。本研究では、リンパ球の一種であるNKT細胞活性化が創部緑膿菌感染排除に与える影響について解析を行った。 α-GalCer によるNKT細胞活性化により、創部緑膿菌数は、緑膿菌接種後 5、7 日目で有意に低下し、3 日目の好中球数が有意に増加した。緑膿菌接種後 5 日目にIFN-γ、IL-22、IL-23、IL-12p70、S100A9 産生量が有意に増加した。NKT 細胞活性化は、炎症性サイトカイン、抗菌ペプチド産生,好中球集積の誘導により、創部緑膿菌排除を促進する可能性がある。
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