研究課題/領域番号 |
19K19539
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
保田 江美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (20803258)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大学から仕事へのトランジション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護系大学で学ぶ学生の学生時代の経験や学修、生活が就職後の組織への適応に及ぼす影響を検討することである。本年度の研究計画は下記のとおりである。 予備調査をおこない、分析を進め、本調査で使用する質問紙の作成までをおこなう。 ①質問紙の作成に向けて、大学から仕事へのトランジションに関する研究、組織への適応に関する研究、看護教育学研究の国内外の先行研究を広くレビューする。②先行研究を参考に、大学時代の経験や学修、生活について、大学生に共通する項目、看護系大学で学ぶ学生に特有の項目を洗い出す。また、組織への適応を評価しうる項目を検討する。プロセスを意識しながら、質問紙を設計する。③看護系大学を卒業後、病院に就職し、1年の業務経験を有する看護師経験2年目の看護師100名を対象に予備調査を実施する。④調査で得たデータを分析し、質問項目の精査、修正をおこなう。⑤本調査で使用する質問紙を完成させる。 研究実績としては、質問紙の作成に向けた先行研究のレビューをおこなった(①)。具体的には、大学から仕事へのトランジションに関する研究、組織への適応に関する研究、看護教育学研究の国内外の先行研究を広くレビューし、整理した。実際は、予備調査の実施には至っていないが、質問紙作成にあたり、先行研究を広くレビューすることはその基盤となるため、非常に重要である。また、先に挙げた先行研究以外にも、本研究を実施するにあたり、有用な分析方法を示す研究等のレビューも進めた。 さらに、レビューの結果を参考に、質問紙に採用する項目の精査をおこなっている(②)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、質問紙の作成に向けて、大学から仕事へのトランジションに関する研究、組織への適応に関する研究、看護教育学研究の国内外の先行研究を広くレビューした。先行研究を整理し、大学時代の経験や学修、生活について、大学生に共通する項目、看護系大学で学ぶ学生に特有の項目を洗い出しているところである。項目が多く、質問紙の作成に向けて、項目を精査することに時間を要している。また、先行研究をレビューするにあたり、上記のほかにも、本研究の実施に参考となる分析方法等が示された研究についても確認している。本年度の計画に含まれている予備調査には至っていないため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、先行研究のレビューの結果を踏まえ、予備調査用の質問紙の作成に早急に取りかかる。看護系大学を卒業後、病院に勤務し、1年の業務経験を有する看護師経験2年目の看護師100名を対象にWEB調査にて、予備調査を実施する。調査で得たデータを分析し、質問項目の精査、修正をおこなう。調査設計の専門家等のスーパーバイズを受けたのち、本調査に向け質問紙の完成を目指す。 また、本調査への協力施設を募り、本調査の準備をおこなっていきたい。具体的には、病院要覧(全国病院名簿)に掲載されている100床以上の病院を病床数で層化し、無作為に100病院を選出する。対象病院の看護部長宛に1)調査への協力可否、2)看護系大学を卒業した新卒新人看護師数等について記載した往復はがきを送付する。対象者確定後、準備ができ次第、看護系大学を卒業後、病院に就職し、1年の業務経験を有する看護師経験2年目の看護師1000名を対象に無記名自記式質問紙調査(回顧法)を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では、予備調査を実施する予定であった。予備調査が今年度に実施できなかったため、主にその分を次年度に使用する。予備調査は、新型コロナウィルス感染拡大の状況を鑑み、病院に勤務する看護師の負担にならないよう時期を検討し実施する。
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