研究課題/領域番号 |
19K19655
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
鈴木 健介 日本体育大学, 保健医療学部, 准教授 (20732506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 緊急時の対応 / 学校保健 / 養護教諭 / ファーストレスポンダー / シミュレーション |
研究実績の概要 |
養護教諭100名を対象に、E-learningと実習を組み合わせたシミュレーション教育を行い、教育直後の緊急度評価能力を検証した。2019年4月から12月までに、1367名の学校教職員にシミュレーション教育を行なった。養護教諭は1202名であり、教育前後で自信の評価を行った。 「緊急度評価(救急車要請や受診の判断)を行う際に自信がありますか?」という問いに対して、自信がない(前6.8%、後2.7%)、あまり自信がない(前34.8%、後21.3%)、どちらともいえない(前35.8%、後44.1%)、まあまあ自信がある(前19.6%、後30.7%)、自信がある(前3%、後1.2%)であった(p<0.05)。「呼吸の観察を行う際に自信がありますか?」という問いに対して、自信がない(前4.8%、後2%)、あまり自信がない(前30%、後23.2%)、どちらともいえない(前43.7%、後39.9%)、まあまあ自信がある(前19.8%、後33%)、自信がある(前1.6%、後2%)であった(p<0.05)。「脈拍の観察を行う際に自信がありますか?」という問いに対して、自信がない(前2.8%、後1.1%)、あまり自信がない(前17.8%、後10.5%)、どちらともいえない(前38.2%、後30.6%)、まあまあ自信がある(前35.6%、後50.7%)、自信がある(前5.6%、後7.2%)であった(p<0.05)。 E-learning用教材作成のため、動画撮影を行った。シミュレーション教育を学校内で実施するための補助教材として、テキストと共に配信準備が整ったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、公開を延期した。また、緊急度評価に対する自信と正確性の因果関係を検証するために予定していた、呼吸・脈拍の正確性に関するデータ収集を中止した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、E-learning教材の公開を延期した。また、緊急度評価に対する自信と正確性の因果関係を検証するために予定していた、呼吸・脈拍の正確性に関するデータ収集を中止したため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症により、対面での研修会やデータ収集が実施困難となった。そこで、ZOOM等を使用した遠隔講習会を実施する予定である。 緊急時の対応シミュレーションにおいて、新型コロナウイルス感染症を念頭においた対応を可能にするため、日本環境感染学会や日本臨床救急医学会、文部科学省のガイドラインを参考に追加教材を作成する予定である。 緊急性の評価などに関する自信と正確性の因果関係は、対面でのデータ収集が可能になってから実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
緊急度評価に対する自信と正確性の因果関係を検証するために予定していた、データ収集を中止にしたため、データ収集・入力業務で必要であった費用が次年度繰り越し費用となった。新型コロナウイルス感染症の影響により必要となる追加教材作成費用として使用する計画である。
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