研究課題/領域番号 |
19K19655
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
鈴木 健介 日本体育大学, 保健医療学部, 准教授 (20732506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 緊急度評価 / 養護教諭 / Virtual Reality / 新型コロナウイルス感染症 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、4-9月に予定していた講習会を12月に開催した。Virtual Reality(以下VR)を活用した頭部外傷における緊急時の対応を作成し、感染対策を徹底しながら150名の養護教諭に実施し、新型コロナウイルス感染症の影響とVR教材に関するアンケートを行った。 新型コロナウイルス感染症の影響は、150名中102名(68%)から有効な回答を得た。「緊急度評価(救急車要請や受診の判断)を行う際に自信がありますか?」に対して、COVID-19流行前とCOVID-19対策をしながらで比較すると、「自信がない」が2名(2%)から17名(16.7%)、「あまり自信がない」が33名(32.4%)から55名(53.9%)、「どちらともいえない」が43名(42.2%)から24名(23.5%)、「まあまあ自信がある」が23名(22.5%)から6名(5.9%)、自信があるが1名(1%)から0名(0%)であった(p<0.05)。 学校では体調不良者に対して、養護教諭が呼吸や脈拍を観察し、緊急度評価を行う。COVID-19に感染するリスクや、保健室のゾーニング、マスクや手袋などの個人防護具を装着し観察する負担が自信の低下に繋がった可能性がある。 VR教材に関しては、150名中89名(59.3%)から有効な回答を得た。「VRは動画や教科書と比べて学習するのに有効 」が、まあまあ思う・思うが83名(93.3%)、89名中1名(1.1%)が「一般的な不快感がある」と回答した。VRゴーグルにより、360°を見渡せたことから、平面動画より没入感が増した可能性がある。 新型コロナウイルス感染症により、緊急度評価に対する養護教諭の自信が低下した。たVR教材は、動画や教科書と比較して有効なことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症により、対面での講習会が開催できなくなった。感染症対策を徹底し、対面での講習会が実施できたが、本来予定しているデータを取ることができなくなった。 一方で、教材としてVirtual Realityを活用することができ、動画や教科書と比較して有効なことが示唆された。次年度の指導者養成教材として活用し、内容を検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
養護教諭100名を対象に、シミュレーション教育直後と半年後に緊急度評価能力を検証する 指導者用のE-learningと実習要領・教材を作成し、養護教諭100名を対象に指導者養成プログラムを行う
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、遠隔に対応できる教材開発が求められ、Virtual Realityを活用した教材作成により予算を再分配した。一方で、対面での講習会が開催できず、旅費やデータ集計を行うための予算が削減となったため次年度使用額が生じた。 教材作成にかかわる雑費にて次年度使用額を活用する予定である。
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