不安症の診断基準は満たさないが、生活に支障や苦痛が生じている産後の不安を測定する尺度を開発し、産後の不安の関連要因を明らかにした。分析の結果、3因子17項目の産後の不安尺度が完成し、尺度全体のCronbachα=.899、再テスト法の信頼性係数は .765であった。また、開発尺度とGAD-7、STAI状態不安に正の相関がみられ、信頼性と妥当性は検証された。産後の不安の関連要因は、母親の年齢、負のライフイベント、特性不安、精神疾患既往、出産満足度、こどもの人数と育てやすさ、相談できる人の有無、経済的不安定、コロナ禍による生活の不自由さであった。
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