本研究は、Brief-BESTestの6要素を用いて地域在住高齢者の個別のバランスの課題を判別することを目的とした。この6要素とは生体力学的制約、安定限界、予測的姿勢制御、姿勢反応、感覚機能、歩行安定性であり、それぞれ固有の検査を行った。 解析の結果、転倒経験は姿勢反応が関連し、咄嗟の下肢のステップ反応の重要性が示唆された。歩行機能は予測的姿勢制御と姿勢反応、感覚機能、歩行安定性が関連し、支持基底面が変化する検査課題が選択された。フレイルは安定性限界と予測的姿勢制御、感覚機能、歩行安定性が関連し、バランス機能の多くと関連していた。高齢者のアウトカムによって関連するバランス課題が異なった。
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