体外式膜型人工肺(ECMO)は,重篤な呼吸循環障害に対する救命措置として用いられている.本研究の目的は,ECMO管理中の骨格筋における酸素動態を明らかにすることである.Sprague Dawleyラット頸静脈に脱血管,頸動脈に送血管を設置し,ポンプを用いて脱血した血液をECMOで酸素化し再び生体内に血液を戻した.ラット前脛骨筋を露出し,リン光クエンチング法により間質内の酸素分圧を計測した.人工肺を設置しないsham群と比較した結果,骨格筋の酸素分圧はECMO群とsham群の間に差を認めなかった.以上のことから,ECMOにより動脈血は酸素化するが骨格筋には影響しないことが示された.
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