本研究の目的は、坂道における脊髄損傷者用の歩行再建ロボット使用時の最適な歩行器操作法を明らかにすることであった。脊髄損傷者のための歩行再建用装着型ロボットは、国内外で開発が進められ、実証試験が行われている。しかし、屋外歩行で頻回に遭遇する坂道歩行の獲得における適切な練習課題は、明らかにされていない。最適な歩行器操作法の解明により、練習課題が明らかになると考える。加えて、より早期の、より広い対象におけるロボット補助歩行の自立、およびその後の転倒予防が期待できる。脊髄損傷者の歩行再建に対する期待は高く、ロボット補助歩行の練習方法や機器改良に寄与する本研究の学術的、社会的意義は大きいと考える。
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