自閉スペクトラム症(ASD)モデルマウスを用いて、運動や環境エンリッチメントの提供がASDモデルマウスの行動にどのような治療効果を与えるかについて、行動実験を中心に検証した。その結果、強制的な運動は不安を惹起し,社会性の改善が妨げることが明らかとなった。また、環境エンリッチメント下での飼育は、不安の軽減と社会性の改善がもたらすことが明らかとなった。環境エンリッチメントによる自発的な運動の促進や不快な刺激からの逃避がこの変化に関係したと考えられ、リハビリテーション治療時に、自由な環境下での自発的な運動の実施は、自閉症児の行動の改善につながる可能性が示唆された。
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