研究課題
若手研究
本研究では、日本の急性期医療機関3施設に手術治療目的で入院した消化器がん患者を対象に手術前から在宅復帰後(術後4週)まで健康関連QOLを調査し、影響因子を検討した。消化器がん患者の健康関連QOLは、術後に手術前より有意に低下することに加えて、一般日本人の平均値より低値を示した。また、術後4週の健康関連QOLには、同時期の歩行耐久性が最も影響していた。消化器がん患者のHRQOLを早期改善するには、歩行耐久性を高める支援の必要性が示唆された。
リハビリテーション科学
がん患者の療養生活の質の維持向上の重要性が世界的に指摘されている。しかしながら、日本人消化器がん患者の健康関連QOLを手術前から在宅復帰後まで縦断的に調査した研究は、多くは単施設で得られたデータが使用され、一般化に制限がある。本研究では、急性期医療機関3施設で手術治療を受けた消化器がん患者を対象に調査し、周術期の変化と影響因子を明らかにした。今後は、消化器がん患者の術後早期の健康関連QOL改善に向け、在宅復帰後も多職種で連携するなど、更なる取り組みが必要である。