食塩感受性高血圧モデルであるDahl食塩感受性(Dahl salt-sensitive; Dahl-S)ラットの雌を用いて長期的運動の腎保護作用の生物学的性差について検討した。雌性Dahl-Sラットを通常食塩食群、高食塩食群、高食塩食+長期的運動群の3群に分け、高食塩食群には8%NaCl含有の高食塩食を与え、長期的運動群では中等度強度のトレッドミル走を8週間実施した。高食塩食により血圧、尿中タンパク排泄量、腎内の酸化ストレスは有意に増加したが、雄性ラットよりも程度は軽く、長期的運動によるこれらの抑制はみられなかった。以上より、長期的運動の腎保護作用には生物学的性差があることが明らかとなった。
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